男時、女時(おどき、めどき)
女という字は、形をとるのがちょっと難しい
いつもブログをお読みいただき、
ありがとうございます。
不思議なタイトルですが、
室町時代の能楽師・世阿弥の著書、
『花伝書(風姿花伝)』
の中にある一説です。
20代の頃に買ったので年季入ってます
久しぶりに出しました
花伝書は能楽理論ですが、
浮き沈みのある人生や経営になぞらえて
読んでみると参考になると思います。
経営者の方にはぜひ読んでいただきたいです。
内容は大変わかりやすく、
心から心へ、
伝承者に伝わるように
深い愛も感じます。
私は23才のときに、
初めて国立能楽堂に足を運び、
お能を観ました。
お能は、
”省略の芸術”といわれています。
無駄なものが一切省かれた、
神聖で静寂な舞台の中で
演じられる作品を観て、
なぜか懐かしさがこみ上げ、
滂沱の涙があふれて、
わんわん泣いてました。
なんだったのでしょうね、、、
止めようと思っても
涙はまったく止まりませんでした。
今でも思い出すと涙が出てきます。
すっかりお能に魅せられた私は、
舞台に立たれていた能楽師の先生に、
早速問い合わせをして、
お能を習いはじめました。
まだバブルの時期でしたから、
かなり異質でしたね。
室町時代の能楽は、
将軍家に気に入られるためにも、
他流派と優劣を競い合う芸術でした。
勝敗は時の運として、
観客や会場の気配を察しながら、
男時(おどき)には攻めの演目を、
女時(めどき)には
静々と様子をうかがいながら進める時期
と捉え、舞台進行をしていたようです。
今、世界情勢が不安定になりつつあり、
女時のように見えますが、
おそらく新しい芽吹きを
待つ時期でもあり、
男時がやってきたときのために
備えるときなのかもしれませんね。
世界がひとつとなって。
成功文字力アカデミー
西岡恵美子