野狂の歌人 参議篁(さんぎたかむら) ~小倉百人一首 第11首~

 

 

わたの原
八十島かけて
漕ぎ出でぬと
人には告げよ
海人のつり舟

 

~ 参議篁(さんぎたかむら) ~

 

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本当にありがとうございます。
初めて訪ねてくださいました方も
どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

百人一首には流人の唄が多く、
この和歌の歌人、篁もその一人。

昔の中国の漢詩も、
役人たちのやれ地方にとばされたとか、
早く故郷に帰りたいなど、
悲哀のこもった詩がけっこう多くて、
漢字の作品に使う漢詩の選定が、
わりと大変でした。

 

字面が美しくても、
悲劇の漢詩を書くのは、
悲しみが乗り移ってきそうでは
ないですか。
やはり明るくて、温かみのある
内容が良いですよね。

 

今回の料紙は宮廷文化風ですが、
哀れみが伝わるでしょうか。
お上品にまとめてみましたが、
歌人は文化的でありながらも、
激しい気質だったようです。

 

 

こちらの篁(たかむら)さん、
名前は小野篁。

遠祖に遣隋使小野妹子がいて、
平安の三蹟の一人である
書家の小野道風が甥っ子さん、
小野小町も一族の一人といわれ、
風雅な家系なのです。

 

 

歌人名の“参議”は、
当時の閣僚クラスのようですが、
ここまで登りつめるまでは、
ありあまる才能をもてあまし、
世間とソリが合わないところがあり、
隠岐の島へ流されたとのこと。

 

その時の心境を歌ったのでしょうか。

 

篁は漢詩文にすぐれ、書も非凡で、
性格は“野狂”
とあだ名がつくくらい気骨があり、
恐れを知らなかった人だったそう。
なんだかお会いしてみたいですね。
よっぽど破天荒だったんですね。

 

でも、島流しから帰ってきたら、
性格が丸くなったみたいで、
参議に昇進。

 

島流しのおかげで、
自分を顧みる時間がたっぷりあって、
篁良かったね。

 

人生何が幸いするかは、
時間が経たないとわかりませんもの。

 

 

 

 

ではでは、今月はこの辺りで、
来月もどうぞよろしく
お願いいたします..*..☆..*..☆

 

成功文字力アカデミー
西岡恵美子

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