誘い掛け、という和歌 ~小倉百人一首第六首~
かささぎの
わたせる橋に
おく霜の
しろきを見れば
夜ぞふけにける
~中納言家持~
いつも当ブログをお読みいただき、
本当にありがとうございます。
はじめて訪ねてくださいました方に
おかれましては、これからも
よろしくお願いいたします。
こちらの和歌作者中納言家持とは、
大伴家持のこと。
この和歌にあるような“霜”は、
アスファルトの多い関東の冬では、
もう見ることがありませんね。
田舎に行けば、まだあるのでしょうけど。
子供の頃、
霜柱を見つけては踏んでみたり、
書道教室から帰る真冬の夜道、
澄みきった夜空を見上げながら、
星座を見ることが楽しくて楽しくて、
この和歌からは、そんなことも
思い出します。
冬の星座はキリッとして、
格別な輝きです。
この歌は、
「霜」「白さ」「天の橋」の一群で、
後鳥羽上皇の離宮のあった
「水無瀬」を暗示、
そして「天」から連鎖し、次の第7首、
“天の原
ふりさけ見れば
春日なる
三笠の山に
出でし月かも”
を誘い掛けしてるということなのです。
恋い焦がれている者同士の和歌に
よくありますよね。
ここが和歌の魅力的な一つ。
これは絵画でも、
昔のお屋敷やお寺の襖絵に、
部屋から次の部屋の襖へ、
続き絵になっている
壮大なものもありますね。
※名前のところのポチポチは、実は金箔です
画像悪くてすみません
後世に小倉百人一首として残せた
定家の和歌集編者としての才覚を、
百人一首を書き上げる頃には
感動が膨らんでくることを想像します。
文字を書くことも楽しく、
こんなかけ合わせを知ると、
いと楽しけり。
宮廷文化がふわーっと広がってきます。
今回はこんなところで、
それではまた来月..*..☆..*
成功文字力アカデミー
西岡恵美子