漢学者が詠うセンチメンタル和歌 〜小倉百人一首第23首〜

月見れば
ちぢにものこそ
悲しけれ
わが身一つの
秋にはあらねど
〜 大江千里(おおえのちさと) 〜
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初めてお越しくださいました方も、
これからも百人一首の世界を
お楽しみくださいね。
こちらの和歌は、
“秋の月を見れば
物思いさまざま
心はちぢに乱れてうら悲しいのだ
私ひとりのために
秋がきたのではないけれど”
という内容の歌。
作者の大江千里は漢学者。
しかも、和歌の詠み人でもあり、
漢詩の心を和歌への置き換えが
上手な方だったらしいのです。
彼の父親が
在原業平朝臣の異母兄なので、
業平の甥っ子です。
千里の生きた時代は、
9世紀末〜10世紀初め、
宇多・醍醐天皇の頃で、
中国文化の影響を抜け出し、
日本文化が見直された頃。
男たちは
女性の文化や和歌に熱を入れはじめ、
女性たちも男たちに負けずに
漢詩に親しみはじめていたようです。
これは紫式部や清少納言の百年前のこと。
文化や文明が成熟してくると、
男女間の文化が歩み寄りますね。
うちのネイルサロンにも、
男の子のお客様が時々いらっしゃるし、
男性ネイルが今はもはや当たり前に
なってきています。
ビックリですね。

千里のこちらの和歌、
“月見ればちぢにものこそ悲しけれ”
というのはずいぶんとおセンチ。
さすがに現代の男性は
このような表現は例え思ったとしても
表現しないと思いますけど、
これが和歌の雅び。
四季折々の移ろいを繊細に感じ取れる、
世界唯一無二の大和魂でもあります。
移民が増える我が国、
この平安の世界観を我々日本人は
大切に死守していきたいですね。
※元町河岸通りの艶やかな横浜緋桜たち♪
では今月も最後までお読みいただき、
本当にありがとうございます。
また来月..*..☆.*.☆.
成功文字力アカデミー
西岡恵美子