きみがため惜しからざりし命さへ・・・・・
3月31日の夜、
万葉集の歌で何かを書いてみようかと
ずっと考えていましたら、
(結局書けずじまいでしたが)
翌日の新元号の発表では
新元号は万葉集からの選択で
あるということで、
とても優美で、
平和の世の中を感じさせてくれる元号に、
ほっと安心しました。
以前勤めていた会社では、
お正月になると百人一首を
やっていました。
ちょっと面白い会社ですが、
書道をしている身としては
大変いい経験でした。
今では本当に感謝しています。
でも、まずは百人一首を
暗記しないとできませんから、
いつも一夜漬けで参戦。
一対一ではなく、
グループ対決の攻防戦でしたから、
百人一首に強い人と組めれば、
賞品がいただける確立が高くなります。
上の句と下の句、
毎年なかなか覚えられず、
でもその中でも大好きな一首があり、
和歌に興味をもったはじまりが
こちらの歌でした。
”君がため
惜しからざりし命さへ
長くもがなと思いけるかな”
さっくり自分でも書いてみました。
藤原義孝の歌です。
※今回は筆ペンで。
若者の恋心を素直にぶつけた、
とてもピュアな和歌で、
読むたびにジーンときちゃいました。
21歳で夭折した美青年貴族の歌
というのもいいですね。
きっとモテたのでしょう。
歌の内容は、
”きみへの想いが実を結んで
もし愛し愛される仲になるならば
この命を捨ててもいいー
死んでも惜しくはない
そう思っていたんだ
しかしほんとにそうなったら
気持ちは変わった
ぼくは生きたい長く長く生きて
いつまでもきみと愛し合いたい
そう思うようになったんだ”
私が一番大好きな書家である、
平安の三蹟の一人、
藤原行成のお父様と知ったときには
大変驚きました。
えー!
親子つづけて大好きになってしまって、、
もしこれが、
旦那さんとお義父さんだったらとか、
いろいろ考えるとなんか複雑ですが、
まあそれはいいとして、
次回は
豪華絢爛平安時代の書について
書いてみようかなと思います。
成功文字力アカデミー
西岡恵美子