伝統芸術を守ってほしい

 

 

私は美術館に行くことが好きで、
今回は文字の内容ではないのですが、
読んでくれるとうれしいです。
いつもより長いです。

 

今年に入ってから、
さらに行動範囲が狭くなり、
半年ぶりの都内まで。
行き先は、上野にある東京国立博物館。

 

 

 

 

上野駅が改装されていて、
主要の駅はどこもオリンピックを控えて
新しくなってきてるんですね。
47年ぶりに展示されるきもの特別展に、
意気揚々と少しの緊迫感。
めったに見られない着物ばかりですからね。

 

 

 

到着して時間があるからいきなり休憩。
ソフトクリームで気持ちを落ち着かせて、
観賞する態勢を整えてますけど、
変でしょうか。

 

 

私は、
超一流の作品を観るようにしています。
そんな展示と向き合うときには、
こちらもそのつもりで挑んでいかないと、
ただ作品に圧倒されるばかりで、
何がどう良かったのか、
十分な感動は得られないし、
作者が何を想って創造していたのか
感じられません。

 

特に、私心がなく
命をふりしぼって創り上げた大作、
欲心のない神に捧げる芸術が
集まっているときには、
美術館や博物館に入る前から、
建物から壮大な気を発しているように
感じるんですね。
だから、なんとなく観に行くなんて、
とてもできません。
作者にも失礼ですしね。
これで1700円はかなりお値打ちです。

 

でもね、名もなく一流ではなくても、
輝かしい作品が存在するのも事実かなと
思います。
素晴らしい作品に触れる機会を見つけ、
そんなことを感じています。
超一流を観れば、
自然と観る目が養われてきますよね。
でもそこを意識しなくても、
私は芸術を観ることが大好き。
楽しい。

 

 

まだ少し時間があるから、ぐるりと一周。

 

こちらは平成館
横山大観とか、常設展示ですね。

 

 

下の建物は、表慶館。
故・西川寧先生の生誕100年記念特別展
『書の巨人』があったときに、
ここでお手伝いさせていただいたことが
あります。
20年くらい前でしょうか。

 

 

 

こちらは重要文化財になっている黒門。
夏のグリーンが爽やかで癒されるー

 

黒門の先には、

 

こちらは法隆寺宝物館。
水打ちしているような涼しげな建物です。
大好き。

 

 

東京国立博物館には、
けっこう足を運んでいますが、
だいたい長蛇の列になっていて
一時間待ちはざらです。
これまでスムーズに入れたことは
あったかな?
ちょっと思い出せないけど、
今回は予約制なので待たずに入れて
うれしい!

 

 

エスカレーターで2階に到着。

 

やっぱりイヤホンガイドで作品の背景を
しっかり聞かないとね。
歴史を知るためにも、ここははずしてはなりません。

 

 

室町時代からの着物が展示されていました。
私の印象に残っているものは3点です。

 

1.総刺繍の豪華絢爛な着物

2.江戸幕府からの着物奢多禁止令

3.YOSHIKIMONOの登場

 

 

1の総刺繍の着物は、
時代がゆっくりとしていた頃の
贅沢の極みだったのでしょうね。
現代では、滅多に見かけなくなりました。
職人さんがいなくならないように、
なんとか守り抜いてもらいたいです。

 

 

 

 

2の金糸や総絞り等の禁止令ですが、
江戸は昔からファッションの発信地
だったことが確認できます。
大名クラスの華美な着物は許されても、
商人には許されなかったのが、
質実剛健の江戸幕府の現れなんでしょうか。
まったくもって理不尽極まりなく、
該当者は怒り心頭だったことでしょう。

でもそこから、また新しいものが
生み出されましたので、
ここも時代の流れに逆らえないんですね。
着物がファッショナブルで奇想天外、
江戸の粋なものづくりに対する情熱と
それを着る人の意気込みを、
ひしひしと感じます。

 

火消しの法被がカッコよすぎる

 

 

 

3.XJapanのYoshikiさんデザインの
YOSHIKIMONOの登場です。
伝統芸術は、
新しい時代に合う突破力が必要なのではと
思っています。
どうしたって、
古臭くなりがちではないですか。
明るい未来を感じさせてくれる着物が、
アニメーションを着物に使用した
YOSHIKIMONOでした。
絵画チックなデザインで
着付けはカッコよく、
斬新さに加えて、上品。ここ大事ですね。

 

 

 

いろいろな展示を観ていると、
どうしてこの作品を選んだのかしらと、
疑問や称賛の両方を感じることがあります。

 

今回は、YOSHIKIMONOを見いだし、
選んだキュレーターさんが、
素晴らしい目利きだと思いました。
会場で一周して観ると一目瞭然ですが、
YOSHIKIMONOの存在で、
着物の未来と潜在能力を感じることが
できます。

 

”第5章 KIMONOの現在”では、
存命中の人間国宝の方や
一竹辻が花の着物だけだったら、
ちょっと申し訳ないのですけど、
着物がもつ未来の可能性ではなく、
過去の着物が
いかに素晴らしいかということが、
一番印象に残るでしょう。

 

あのー、私がYoshikiファンだから、
贔屓してるわけではなく、
(でも少し入っているのかな)
もちろん個人的な意見の範囲ですが、
客観的に観ているつもりです。
YOSHIKIMONOは、
トリにふさわしい着物でした。
着物が清々しくて、
ピカーッと輝いていましたね。
きっと、裏方の方々も
誠心誠意のお仕事を
されていたのでしょう。

Yoshikiさんは残念ながらLAから出られず。

ぜひ会場でご覧になって、
実感してもらいたかったですね。

図録にも書いてありましたが、
これからもどんな着物を創るのか
とっても楽しみです。

 

 

着物で来られている方が多かったです

 

 

 

コロナで外出がままならないですが、
人数制限している今は、
美術館は行き時です。

 

 

新しい感動を与えてくれる展示には
本当に感謝しかありません。

 

 

 

 

帰り際の上野公園、夕焼けが美しくて、
またしみじみと感動。
HAPPYでラッキーで
たっぷり充電できた一日でした。

 

ぜひ行かれてくださいね。

 

 

成功文字力アカデミー
西岡恵美子

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